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事業プロジェクト名

 生涯健康カルテネットワークを核とする健康サービス産業創出支援プロジェクト

事業実施の背景

 1.高齢化社会に対応する医療ITネットワーク基盤
  全国に先行して10年程度高齢化が進行している香川県では、四国4県電子カルテネットワーク、
  かがわ遠隔医療ネットワーク(K-MIX)、かがわ周産期ネットワーク、在宅健康管理システムが実
  運用されており、昨年度から開発中の臨床試験支援システムも間もなく実運用に入る。これらの
  医療ITネットワーク基盤をベースに比較的容易に生涯健康カルテネットワークを構築できる。

 2.食生活を中心とした産業構造
 
香川県は、食品製造業の事業所・従業員数とも全国平均の2倍前後と食品産業の集積が高いこ
  とが特徴で、中でも県西部に位置し、瀬戸内海の食材が豊富な観音寺市は、製造業に占める食
  料品製造業の割合が、事業所数47%、従業員数40%と極めて高い割合を示している。
  同市の代表的企業である加ト吉は、21世紀の高齢社会に対して「食に携わる企業として全商品
  に、健康・安全・安心・栄養バランスへの配慮、さらに介護食・医療食分野の充実を推進していく。
  」と宣言しているとおり、高齢社会対応の食品提供に注力している。おいしく安全な食品供給はな
  されているが、この基盤の上に科学的・医学的根拠(EBH)に立脚した商品を供給するためのモ
  デル構築が必要である。

 3.癒し系の観光資源を生かした取り組み
 
四国には八十八ヵ所めぐりに代表される癒し系の観光資源、また、香川県内には今年度再開され
  たレジャー施設(ニューレオマワールド)や数多くの温泉、スポーツ施設があり、毎年数多くの人々
  が訪れる。これらの人々に健康をキーワードとして何度も訪れる機会を提供する。
  観光地の周辺には健康に適した食材「すだち、オリーブ、かまぼこ、海洋深層水などの特産物」に
  も恵まれており、観光と合わせてこれらの食材の人気を健康面からも定着させることにより、地場
  産業の活性化を図る。

事業内容

○プロジェクト事業の目的

 1.生涯健康カルテネットワークの基盤整備

  (1)人材育成・指導等事業
    ・健康サービスセンターを設立し、顧客に科学的・医学的根拠を持って健康アドバイスを提供
     できる「健康アドバイザー」を育成する。

   ・上記のアドバイスが、効果的に機能したかを評価できる手法を確立する。

  (2)生涯健康カルテネットワーク構築及び情報システム開発
    ・現在稼働中の5つの四国健康ネットワークを有機的に活用し、生涯にわたる健康管理や地場
     産業の活性化に活用する。

  (3)活用集積情報加工・分析研究事業
    ・セキュリティを保ったアプリケーションを構築する。

 2.個々人に応じた健康な食材の供給

  (1)人材育成・指導等事業
    ・冷凍食品、生鮮食料品を供給する企業が、生涯健康カルテネットワークから有益な情報を的
     確に把握しつつ、レシピやメニューを策定できる人材を育成する。

   ・食材供給と併せてフィジカルトレーニングや温泉療養のプログラムを策定できる人材を育成す
    る。

  (2)生涯健康カルテネットワーク構築及び情報システム開発
    ・顧客も納得して食材供給を受け入れられるシステムとすべく、ポータルサイトの視認性を向
     上する。

  (3)活用集積情報加工・分析研究事業
    ・テイラーメイドな食材供給が可能とすべく、統計的な評価を行ない、体系化する。

 3.癒し系アイランドで健康ツーリズム

  (1)人材育成・指導等事業
    ・四国の観光資源や元気プロジェクトと関連した、リピート可能な健康ツーリズムメニューが策    定できる人材を育成する。

  (2)生涯健康カルテネットワーク構築及び情報システム開発
    ・実施した観光メニューが、実際に効果があったと認識できる、分かりやすい情報表示が可能
     なシステムとする。

  (3)活用集積情報加工・分析研究事業
    ・テイラーメイドな観光メニューの供給を可能とすべく、統計的な評価を行い、体系化する。

   以上について、添付資料−1に「全体スキーム図」、添付資料−2に「実施スケジュール」を、
   また、添付資料−3に「生涯健康カルテ構築スケジュール」を示す。

提供予定の健康サービスの仕組み・内容

 1.生涯健康カルテネットワークの基盤整備
  
四国4県電子カルテネットワークの医療IT技術など、現在稼動中の5つの医療ITネットワークシ
   ステムを有機的に取り込み、生涯健康カルテネットワークとする。
   その基盤の上に健康アドバイザー支援やレシピ、食材供給、フィジカルトレーニング等のサービ
   ス産業に活用する。

 2.個々人に応じた健康な食材の供給

  (1)健康データの蓄積、加工、個々人に応じたデータ参照の技術
    ・生涯健康カルテネットワークは、検診結果、日常の食生活内容から、栄養バランス等を改善
    するプログラムを搭載する。

   ・既存研究結果から年齢や健康状態に応じた食事メニューを推薦するアルゴリズムは可能で
    ある。香川大学等が中心となって、新たにプログラムを構築する。

   ・利用者は、推薦の食事メニュー(食事箋)をもとに画面に表示された宅配食を注文できる機能
    を搭載する。

   ・利用者の健康状況を追跡し、蓄積された食事内容と健康状態のデータを統計分析しはEBH
    を確立する。

  (2)フィードバックデータによる健康食の開発
    ・消費者には、個々人の症例やニーズに応じた冷凍食品などの健康食を提供する。

    ・消費者と食品・流通会社の間で、相互にデータのフィードバックが可能である。

  (3)地元食品会社による冷凍食品の新規顧客の開拓
    ・生涯健康カルテのデータに従って加ト吉などの食品会社が個々人の健康状態に応じた冷凍
     食品メニューを作り、一人暮らしの高齢世帯を中心に供給する。宅配、通販も行うが、まず香
    川県で店舗数の多いスーパーマルナカにて販売する。また、ヘルパーが購入して届けるサー
    ビスを行う。

   ・加ト吉等が生活習慣病の程度に応じた冷凍食品を開発する。地域の中核病院を中心に、グレ
    ード別生活習慣病食を提供し、データをとりフィードバックし効果を判定する。
    同様の方法を他病院に展開するパターンと一般流通にのせるパターンで流通量を増やす。

   ・都会からの単身赴任者や家庭の健康を預かる主婦を対象に日常生活の中で気軽に健康管
    理できるシステムをスーパーで実施し、加ト吉→マルナカ経路で個々人にあった食材やレシピ
    を提供する。

  (4)健康サービスセンターのサービス料金
    ・健康サービスセンター(新会社)は、加ト吉、スーパー、中核病院、自治体からそれぞれの利
     用者数に応じて、サービス料を受領する。

 3.癒し系アイランドで健康ツーリズム
 
(1)現在お遍路さんとして四国八十八ヶ所を全国から年間30万人(50歳以上が約75%)の人が訪
    れる。札所や宿坊などで健康データを測定し、「歩き」や「心の癒し」によって健康になった様子
    をグラフやデータで自ら確認し、健康アドバイザーにより自分に適したアドバイスを受けること
    ができる。帰ってからも続けて健康管理が可能で、健康アドバイザーにより再度自分に適した
    健康めぐりプログラムが提案される。一度訪れた観光客にきめ細かな健康アドバイスを体験
    することにより、リピート客を増やす仕組みを提供する。

  (2)JR四国及びJR四国バスの現在提供しているバスツアーを、健康ツーリズムとしてさらに高齢
    者や中高年の訪問者の増加を図る(ジパング倶楽部等)。

  (3)既に医師が同乗している長距離バスツアーもあるが、今回はバスに健康測定機器を設置し、
    中高年者が安心して参加できるようにする。

 なお、健康サービスの仕組み・内容について添付資料−4に「食材供給」、添付資料−5に「流通」、四国独自の地域資源を活用した企画として、添付資料−6「四国八十八ヶ所健康めぐり」を、添付資料−7「メンバーの役割分担」をそれぞれ示す。

健康サービス提供に係る科学的根拠に基づく「健康支援システム(EBH)」確立に向けた
  取り組み内容

健康は基本的には個人が管理するもので、また、予防医療の充実も考慮すると、日常の自己管理が肝要である。個人の要望と健康状態そのものにもよるが、当面、採取データとしては、体重、脈拍、血圧を最低限とし、酸素飽和度、血液成分、画像診断情報などを付加していくこととする。本システムにより個人が現在の健康状態を確認でき、それに対してEBHに基づく健康維持、改善へのアドバイスが得られる。

生涯健康カルテに登録された個々人の健康情報をもとに、適切な健康アドバイスを目指す。セカンドオピニオンやフェイルセーフの視点から、客観的データに基づいた複数の健康アドバイザーの総合的判断によるアドバイスを発信できる仕組みを構築する。

前記EBH構築等に伴う個人情報セキュリティ確保への対応

本プロジェクトでは、個人の健康情報を集積・管理するとともに、インターネット回線を介してデータをやり取りするため、厳密なセキュリティ管理が求められる。

インターネット上では、(1)盗聴、(2)改ざん、(3)なりすましに対する配慮が必要である。特に、インターネットでのやり取りは相手が見えないため、別人がなりすましている可能性がある。これを電子認証によって解決する。

四国では既に電子認証局として「よんでん電子認証局」が稼働している。認証局は、利用者の本人性に関する情報を登録する登録局と「電子証明書」を発行する発行局によって構成される。発行局は、データセンターの中のセキュリティ管理の厳重な部屋に発行用設備を設置し、24時間365日の監視体制のもと安全な運用が行なわれている。

個人の健康情報が集積されるサーバは、セキュリティ管理と災害への対策が十分なされた堅牢な建物で保管され、集積データは常にバックアップされる。

また、利用者とデータセンターの間のインターネットではSSLによる暗号化を採用する。医師、健康アドバイザーなど高度のセキュリティを要する個所ではICカードを使った電子認証(HPKI)を用いる。本電子認証局はMEDISのHPKIガイドラインに基づいて構築されており、将来は全国の医療ITネットワークの標準的認証基盤となりうる。

事業実施により期待される効果と評価方法

表−1 期待される効果とその評価方法

事業内容

期待される効果

評価方法

生涯健康カルテネットワークの基盤整備

観音寺市を中心とした顧客が中心で、まずは地元の親しみのある方が健康アドバイザーであるため、丁寧で迅速なアドバイスが受けられ、システム定着していく。

測定装置の設置台数については、100ヶ所からスタートする。

顧客に対するアンケート結果を評価する。

2年後には、15%健保費を削減。

 

測定機器の設置場所も四国霊場八十八ヶ所や元気プロジェクト30ヶ所を含む裏八十八ヶ所などを含む、島内500ヶ所に増えて、利用者の利便性が上がる。

また、顧客も四国内に限らず、都市圏からも参加者が出てくる。

顧客に対するアンケート結果を評価する。

 主婦や単身赴任者の疾病率について、その効果(10%程度の低減)を確認する。

個々人に応じた健康な食材の供給

 

個人の健康情報を一元管理でき、過去の履歴も含めた傾向・兆候も知ることができる。

また、健康情報収集個所も増え、日常健康診断を受けにくい主婦などの健康管理もできる。

 健康レシピと健康増進のフォローアップを顧客に対するアンケートにより評価する。 スーパーマーケットの売上は、固定客増加と顧客単価増加について、それぞれ10%を目安とする。

 予防すべき疾病毎のレシピを体系化したマニュアルを完成する。

蓄積データが増え、より正確な健康情報が得られるようになり、どの年齢層に対しても、サービスが受けられる。

 顧客に対するアンケート結果を評価する。

 関連産業の売上額を調査し、10%程度の増加を評価の目安とする。

癒し系アイランドで健康ツーリズム

 

四国の自然と全国にも誇れる元気プロジェクトに触れることが出来、心と体が元気になる。

 顧客に対するアンケート結果を評価する。

 関連産業の売上額を調査し、10%程度の増加を評価の目安とする。

蓄積データが増え、より正確な健康情報が得られるようになり、様々な顧客ニーズに対応可能なサービスが受けられる。

 顧客に対するアンケート結果を評価する。

 関連産業の売上額を調査し、10%程度の増加を評価の目安とする。

上段:事業構築段階  下段:構築後2011(H23)年