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2025年から本格的に運用が開始される「電子カルテ情報共有サービス」は、医療現場におけるデータの連携を大きく変革することが期待されています。
これは、医療機関間で患者の情報を効率的に共有し、診療の質や効率を向上させるための重要なステップです。
本コラムでは、このサービスがどのように医療現場を支え、患者の治療にどんな影響を与えるのかを解説します。
電子カルテ情報共有サービスとは?
電子カルテ情報共有サービスは、厚生労働省が推進する医療DX(全国医療情報プラットフォーム)の取り組みの1つで、マイナ保険証を利用して、全国の医療機関や薬局などで患者の電⼦カルテ情報を共有するための仕組みです。
患者の診療情報が電子的に管理・共有されることにより、医療の質の向上や日常的な業務の効率化はもちろん、緊急時における迅速かつ安全な医療提供が可能になると期待されています。

【出展】厚生労働省 厚生労働省医政局 令和7年3月 電子カルテ情報共有サービス 概要案内 P2
電子カルテ情報共有サービスの構成
電子カルテ情報共有サービスは、以下の3つの主要なサービスから成り立っています。
①紹介状送付サービス
紹介元の医療機関が登録した診療情報提供書(紹介状や退院時サマリー)を紹介先の医療機関等が電子的に取得できるサービスです。
このプロセスを通じて、手作業による書類の郵送やデータ入力作業が不要となり、効率化が進みます。
②健診結果報告書閲覧サービス
特定健診や人間ドック、企業健診の結果を、オンライン資格確認ネットワークを活用して医療機関や患者自身が簡単に閲覧できるようになります。このサービスによって、患者が迅速にデータを受け取り、適切な保健指導を行うことが可能になるほか、健診の受診状況を正確に把握できるようになります。
③6情報閲覧サービス
6情報(傷病名・アレルギー・薬剤禁忌・感染症・検査・処方)を全国の医療機関等や患者本人が取得・閲覧できるサービスです。
医療機関での診療時、患者情報が電子カルテに登録されると、同時に医療情報管理データベースに蓄積されます。その結果、医療機関や患者自身がこれらの情報を安全に確認し、より迅速で適切な治療を受けることができるようになります。
サービスの運用方法
電子カルテ情報共有サービスは、患者の同意を前提に運用されます。
具体的には、患者がマイナンバーカードを使用して、電子カルテ情報共有サービスに同意を提供し、その後、医療機関が必要な情報を閲覧できるようになります。この患者同意の仕組みは、プライバシー保護の観点から非常に重要です。
また、電子カルテ情報共有サービスは、HL7 FHIR(ヘルスケア・インターロパビリティ・リソース)という国際標準に基づいて構築されており、異なる医療機関間でも統一されたデータ形式で情報をやり取りすることができます。これにより、情報の整合性と互換性が確保され、よりスムーズな情報共有が実現します。
電子カルテ情報共有サービスのメリット
電子カルテ情報共有サービスの導入には、医療機関や患者とって多くのメリットがあります。
①診療効率の向上
患者の過去の診療履歴を迅速に把握できるため、医師は診断や治療の際に必要な情報をすぐに取得でき、診療が効率的に進みます。また、同じ検査を繰り返すことが減り、コスト削減にもつながります。
②患者の負担軽減
患者は、紹介状や健診結果を医療機関に持参する必要がなくなり、診療の際の負担が軽減されます。さらに、治療内容に関する不明点が解消されるため、不安も軽減します。
③情報の正確性と安全性の向上
医療情報が一元管理され、誤った情報の伝達や漏れが減少します。これにより、診断ミスや治療の遅れを防ぎ、医療の質が向上します。
④医療の質の向上
情報が共有されることによって、医師は患者の全体的な治療歴を確認でき、より正確で包括的な治療計画を立てることが可能になります。これにより、患者にとって最適な治療が提供されるようになります。
今後の展開と課題
2025年から本格運用が開始される予定のこのサービスは、医療機関のシステムのアップデートやスタッフの教育、患者の同意取得など、運用に向けた準備が必要です。また、情報共有の範囲を広げることや、データの整合性やセキュリティ面での強化が求められます。
しかし、これらの取り組みを通じて、患者にとってより質の高い医療を提供するための大きな一歩となることは間違いありません。医療DXの進展により、今後ますます効率的で患者中心の医療環境が整うことが期待されています。
サービスのお申し込み・お問い合わせ
私たちミトラは、医療のIT化を支える企業として、医療DXの推進をサポートしています。
ミトラのサービスの詳細や導入に関するご相談は、以下のお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
ニーズに合わせた最適なソリューションをご提案いたします。
【参考】 厚生労働省 令和6年9月30日 第183回社会保障審議会医療保険部会 資料3-1
電子カルテ情報共有サービスについて 001309907.pdf
厚生労働省 電子カルテ情報共有サービス概要案内 001457777.pdf
